先日、2歳の息子と二人で山形市の実家へ泊まりで出掛けた。
1日目は実家で両親と過ごし、2日目は仙台に住む友人と会う約束をしていた。
彼も2歳の娘がおり、お互いに子どもを連れて4人で公園でピクニックでもしようと連絡を取り合っていた。
しかし、約束の日の前日になり天気予報を見ていると、どうやら雨が降るということが分かった。
彼とLINEで連絡を取り合いながら、ピクニックは難しそうなのでどこでどう過ごそうか?という相談が始まった。
彼とは大学4年の夏に旅先の屋久島で出会い、そこから13年もの付き合いになる。
久しぶりに会うので、ゆっくりリラックスして話せる場所に行きたいと思っていた。
とは言え、互いに遊びまわりたくてしょうがない2歳児連れである。
子どもにも楽しく過ごしてもらいたい。
1つ目の候補は児童遊戯施設
始めに、山形市の児童遊戯施設「べにっこひろば」が候補に挙がった。
屋内で子どもが伸び伸びと遊べる施設なので、子どもたちは満足するだろうと思った。
しかし、我々大人にとってどうだろうか?
久しぶりに話すには適切ではないように思えた。
完全に子どもを遊ばせることが中心になりそうだった。
2つ目の候補はキッズスペース付きのカフェ
では、キッズスペース付きのカフェに行くといいだろうか?
それも違うような気がした。
キッズスペースがあるとは言え、子どもの動きが気になってあまりリラックスできないように思えたからだ。
女性と異なり、男の私たちはあまり器用ではない。
子どもを気にしながら会話を楽しむことは難儀に思われた。
3つ目の候補は、温泉旅館のデイユース
色々と考えていく中で、どこか個室で過ごせる場所があったらいいのに…、というところに辿り着いた。
最初に思い浮かんだのは、日帰り温泉施設の個室だった。
しかし、そのような情報はインターネットでは少々探しにくいように思えた。
では、旅館の個室付きの日帰りプランがいいだろうか?と思ったが、立派な会席料理付きでけっこういい料金を取られないだろうか?という不安を持ちつつスマホで調べてみた。
そうして検索で出てきたのは、じゃらんの「日帰り・デイユース」の検索画面だった。
山形市周辺で調べてみると、会席料理付きのちょっと高めのプランも出てきたが、個室利用で大人1名2,000円程度のプランも見つかった。
その中で今回の目的にちょうどいいなと思ったのが、山形市から車で20~30分ほどの場所にある上山温泉の三木屋(さぎや)旅館の日帰りプランだった。
11時~15時までの最大4時間滞在が可能で、12畳の和室で過ごせる。
もちろんその間に温泉は入り放題。
料金は大人2,160円+入湯税75円。幼児は無料だ。
さらに部屋での昼食を+1,080円で付けられる。
私たちは昼食付きを選んだので、私と友人それぞれ3,300円程度の支払いとなった。
旅館のデイユースは子どもも大人も大満足
当日私たちは現地に車で集合した。
私は事前にスーパーで飲み物やお菓子を買い、子どもが退屈しないように100円ショップでおもちゃをいくつか購入していた。
車から荷物を降ろし、私たちは4人で旅館にチェックインをした。
宿帳に名前・住所・電話番号を記入し、部屋へと案内をしてもらった。
三木屋旅館は平屋の建物だが、廊下が迷路のように伸びていて面白い。
私たちが案内された部屋は、一番奥の角部屋で、和風庭園に面していた。
少し古さを感じさせるが、清潔で居心地のいい部屋だった。
12畳の和室に、5畳ほどの絨毯敷きのスペースがあり、そこのソファーに腰掛けて眺める庭がきれいだった。
子どもたちはすぐに打ち解けて、おもちゃを渡すと2人で一生懸命遊び始めた。
柔らかい畳の上で子どもたちは遊び、私たち大人はソファーに腰掛けてノンアルコールビールを飲みながら久しぶりの会話を楽しんだ。
3連休最終日で宿泊客がいない時間ということもあり、館内で他の客に会うことはなかった。
迷路のように伸びる廊下に出ると子どもたちは大はしゃぎ。
息子はキャーキャー叫びながら嬉しそうに廊下を走っている。
露天風呂がある大浴場も貸し切り状態。
食事は部屋で食べられるから、これもまたストレスを感じなくていい。
男親が幼い子どもを連れて旅館に来ているということで、宿の仲居さんたちに関心されたりもした。
この日、私は新潟まで3時間ほど掛けて帰らなければならなかったので、14:30には宿をチェックアウトし、友人と別れて出発した。
結局雨が降らなかったので、予定通りのピクニックでもよかったのだけど、温泉旅館のデイユースの便利さを体感するとてもいい機会になった。
面白いのが、宿の公式HPを見てもデイユースのプランが見つからず、じゃらんで検索をすると出てくるということだ。
リクルート社が、ユーザーの利便性やニーズをつかんだ上でリーズナブルなデイユースの企画を考え、各旅館にプランを出してもらっているのかもしれない。
実際、デイユースは「お試し」の要素も大いにある。
気軽にデイユースを使ってみて、宿の雰囲気や施設が気に入ったら次回の宿泊に繋がる可能性も出てくる。
それに、旅館にとっては宿泊客がいない部屋を遊ばせておくよりは、安くても提供した方が効率がいい。
デイユースはシェアリングエコノミーの考え方にも近しいものがあるように思えた。
ユーザーと旅館の双方にメリットがあるデイユース。
もっと広まっていって欲しいし、私たちのような幼児連れには本当にありがたいサービスなのである。
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